アスペルガー症候群が持つ7つの特徴とそれを活かした部下育成7選

仕事の悩み解決
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部下に業務の指示が通らない…。

指示したものと違う成果物が出てくる…。

れおねる

もしかしたらアスペルガー症候群を持つ方ではないでしょうか?

職場で部下を持てば業務の指導は不可欠ですが、自分や周囲との感覚がずれており上手くコミュニケーションが取れない方も一定数存在します。

しかし、そういった方でも上手く活用して成果を出さなければならないのが上位職の役割でもあります。

  • この記事を読むことでアスペルガー症候群の可能性がある部下の指導方法が分かります
    • アスペルガーという性格の特徴
    • 場面や状況に応じたコミュニケーションの取り方
    • アスペルガー=一つの個性である

アスペルガーを持つ可能性がある部下を指導するのはかなり大変で心が折れる事もありますが、「アスペルガーなんじゃないのか?」と本人に直接言うのは一番やってはいけない事です。

本人の得意な事から自信を付けさせることが長い目で見て有効な方法です。

アスペルガーの特徴

アスペルガーという言葉はネットスラングにもなっているくらい有名ですが、その特徴が具体的にどういったものなのか、理解している人は少ないと思います。

また、見た目では健常者と同じに見えるため、仕事ができない理由をやる気や努力が足りないと誤解されてしまう事が多く、パワハラやセクハラの対象になりやすい性格でもあります。

しかし、アスペルガー症候群のような発達障害は、脳機能の発達のアンバランスさが生まれつき顕著であるため、会社生活に様々な困難をきたしてしまうことです。

さらに、職場は複雑な関係性を理解し、適度な距離感を維持しながら物事を進めていくというかなり難易度の高い事が要求されるので、それまで目立たなかった特徴が職場の対人関係や業務遂行におけるトラブルとして顕在化することがあります。

まずは、アスペルガー症候群がもつ特徴を7つ挙げてみます。

人との関係が苦手

  • 他者への関心が希薄で一人でいる事を好み、そこに苦痛や孤独を余り感じない
  • マニュアルに書いてあるような型通りのやり方を押し通し、形式ばった関わり方をする
  • 他人から礼を欠いている、非常識だと思われる
  • 多忙である状況を心配して同僚が業務を手伝ってくれても、逆の立場になったら悪びれもせずさっさと帰ってしまう
  • 人とのやり取りが成立しにくいため、人間関係を発展させていく事が難しい

想像するのが苦手

  • 今目の前で起こっていない事や新しい事、経験したことが無い事、明確に教えて貰っていない事を想像するのが苦手
  • ルールや前提というモノサシを使って思考する
    • 得意な事:
      • 想像力を必要としない手順や方法が明確に決まっている事
      • 枠組み通りに行う事
      • ルールに則って考える事
  • 決まっていた事柄や手順が急に変更されるとストレスを感じる
    • 登ってきた山の中腹で突然別の遠くの山を指されて、やっぱりあちらの山に登れと言われているようなもの
    • 頭の中での混乱:
      • その山はどこにあるのか
      • どうやって行けばよいのか
      • どう山頂をめざせばいいのか
  • 決まったことが頻繁に変更される職場や曖昧な言い方をする人などに対してネガティブな感情を抱く

曖昧な事、目に見えない事が苦手

  • 他者や自分の感情やその度合い、疲労感や困り事などの感覚、物事の文脈によるニュアンスや程度を理解する事が苦手
  • 明確に違いが見られない事や数値化できない事、曖昧で区別しにくい事など、大体の感覚で把握するという事が困難
  • 大体や塩梅が分からず、0か100の目の粗いモノサシしか持っていない
  • 仕事を切り上げるタイミングが分からない
  • 物事を説明する際に、連続性のある流れの中から説明に必要な部分だけ切り出して話す事が苦手
  • 程度や状況を把握して線引きできない
  • いつまでも作業をずるずると切り上げられなかったり、説明が冗長になる

関心事が狭くて深い

  • 特に狭い領域を掘り下げて知識や情報を得たり、物を収集したりする
  • 興味が無い事は全く関心を向ける事ができない
  • 深い関心事に対して没頭する事が、大きな成果や評価につながる
    • 反面、家庭生活や職業生活の中で自分自身の関心事を優先
    • 人間関係や業務に支障をきたすおそれ

一点集中で物事に没頭する

  • 複数の事に頭を切り替えながら同時並行に物事を進める事が苦手
  • 自分の中で物事を100%終了するまで過集中するため、いつまでも時間をかける

手順ややり方などへの拘りが強い

  • 手順やルールなど、あらかじめ決まっている事や自分の中の決まりごとに従ってやらないと気が済まない
  • そのやり方を容易に変えられず、それに従って行動したいという欲求が強い
  • 周囲の状況によって柔軟にやり方を変えたり、他者と足並みを揃えたりすることができない
    • 他者からの評価:
      • 協調性が無い
      • 融通が利かない
      • 頑固やわがままな人
  • 完璧主義である

ワーキングメモリ機能が低い

  • 一時置き場の記憶を踏まえながら情報処理していくのが苦手
  • ひとつのセンテンスや全体の話が長くなればなるほど、一時置き場はすぐにいっぱいになってしまう
  • 言われている事が途中で分からなくなり、話の趣旨を的確につかむことができない
  • 聞いた言葉を一時的に頭に置きながら、話の趣旨やポイントを頭の中で整理し、不必要な情報を削除する事ができない
  • メモを上手く取れない
  • 複数同時並行に作業する事が苦手

向いている仕事・向いていない仕事

アスペルガー症候群を持つ人が向いている仕事、向いていない仕事をまとめると以下のような業務になります。

  • 手順ややり方、見通しが明確な業務
  • 一点集中して行える業務
  • 細かな点に気付けることが活かせる業務
  • データや数字の正確性を求められる業務
  • 本人の興味や関心にのっとった業務
  • 成果物の良し悪しが客観的にはっきりしている業務
  • 反復的で地道な業務
  • 継続的、発展的な対人関係の構築が必要な業務
  • 電話対応など聴覚刺激を補う手段がない業務
  • マルチタスク業務
  • 他企業や他部署、他者との調整が不可欠な業務
  • 作業環境や業務内容に変化が激しい業務
  • 新奇的な発想を必要とする業務
  • 締め切り厳守の業務

各場面におけるコミュニケーションの取り方

アスペルガー症候群の特徴が分かったところで、指導をする我々は具体的にどう接していけば良いのか?が一番難しい所ですよね。

以下に状況や場面を想定して、どういう方法が適しているか記載します。

報連相ができない

  • 報連相のタイミングを部下に委ねない
  • 定期的にブリーフィングの機会を設定してしまう
  • 業務の全体像と取り掛かる作業の位置付け、全体の展開の見通しなども本人に細かく伝える
  • 自分がやる事の全体像や全体像の中の自分の作業の位置付けが見える
    • 頭の中の整理に役立ち、安心感を与える事ができる
    • 方向性のずれやミスを防ぐ

約束を忘れる

  • 日報をつけさせ、1日の終わりに約束事項を全部報告させる
  • 本人が改めて1日を振り返りながら頭の中を追跡する
  • 情報をインプットし直せるような機会を設定する事が有効

仕事が遅い

  • ちゃんと納得してから次の作業に移りたいなどの自分の中のルールやこだわりから作業が遅くなってしまう
    • ワーキングメモリ機能の低さから、さまざまな情報処理が要領よくできない
  • パターン化してやり方を編み出し、作業速度を上げる

仕事の優先順位が付けられない

  • 仕事の優先順位
    • やるべき仕事のプロセスを細分化
    • それにどのように手をつけていくかを適切に判断する事
  • 言わなくても当たり前のことでもできるだけいつまでに出してくださいと具体的に伝える事が大事
  • 業務を細分化して、今日の分の指示を明確に出すという方法

業務の指示が通らない

  • 情報処理が視覚優位なのか聴覚優位なのか探る
  • 視覚優位であれば図、文字、動画のように目から入ってくる情報を処理する事は得意
  • 口頭だけでなく、メールを利用して指示を出す

ルールや原則から外れることが嫌いで糾弾する

  • 周知の事実であると思っている事や、当然推測するだろうと思っている事を省略しない
    • 判断の根拠や状況についてできるだけ順序だてて論理的に言葉にする
    • 想像や推測が苦手なために理解できなかった他者の考える道筋が理解できる
  • 分かっているはずや言わなくても理解しろをやめる
    • できるだけ簡潔かつ明確に説明する事を習慣化する

話す環境作り

  • 別室で話す
  • 落ち着いてゆっくり話す
  • 会話の目的を始めに伝える
  • 部下が話せるよう言葉を待つ
  • 伝えたいことを絞る
  • 上司もコンディションの良いときに話す
    • どうしても意識が叱られたということだけに向いてしまう
    • そのことをずっと引きずってしまう傾向があるため

その他、「この子とはコミュニケーションが取りづらいな…」と感じる方は、こちらの記事をご覧ください。

参考文献

本記事を書く際に参考にした文献を2つ紹介します。いずれも、Amazon Primeに加入していれば無料で読むことができます。

もし部下が発達障害だったら

  • アスペルガー症候群、ADHDという発達障害を持つ部下との関わり方について記載がある
  • 発達障害の特徴から職場で起こる具体的な問題例があり、どのような対応をするか方法論が載っている
  • 発達障害の可能性がある部下を持っている方におすすめできる

「生きづらさ」解消ライフハック

  • 発達障害を持っている方々が、様々な場面で不得手をどんな工夫で乗り越えているか情報を集約したHow to本
  • もし発達障害を持った部下に業務上で指導・アドバイスする際にも使える
  • 状況に対する答えが仕事・日常生活・人間関係・自分の体調の4つにカテゴライズし、一つずつ丁寧に記載されている

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まとめ

今回は、アスペルガーが持つ特徴とそれを活かした部下指導について解説しました。

  • アスペルガー症候群は拘りが強く、1点集中で没頭するなどの強みがある
  • 苦手な事をアスペルガー症候群が持っている特徴を活用して順応する環境を作る
れおねる

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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