半導体化学品における新規プロセス開発の考え方

プロセス開発
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れおねる
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こんにちは、れおねるです。

2年前に転職し、現職から新規プロセス開発に携わっています。

現在進行形で取り組んでいますが、

① 新規プロセスというのはどこから生まれたのか?

② どういう考え方で進めてきたのか?

上記2点について一旦棚卸ししてみようと思い、記事を書きました。

一つの読み物として見て頂ければ幸いです。

新しい技術を探索する

特許調査

新規プロセス開発は社内で0から生み出すところもあるとは思いますが、基本的には大学や研究開発法人などのパイオニアから、知見を借りるところから始まります。

自分たちの目的に合うような技術を持っている研究機関を探し、コンタクト&共同研究契約を結び、実務へと進んでいきます。

ニッチ業界で特定のマーケットを狙っている企業は、その分野で突出した技術を持つ事が企業存続の生命線になりますので、新しい技術を取り入れる事は積極的になります。

れおねる
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何か一つ「これだけは!」という武器が、ニッチ業界では必要になりますね。

それが価値を生んでいる訳です。

トレース実験と暗黙知

共同研究契約を結んだ相手方の実験をトレースするため、まずは実験操作を学ぶところからスタートします。

このときは、実験系(装置、物質etc…)を全く同じにして感触を掴むわけですが、気を付けなければいけないのは、特許技術を持っているからと言って理屈を完全に分かっているわけではないという事です

暗黙知のところが多く、どういう理由で目の前の現象が起こっているか、はっきり分かっていないと告げられる事があります。

れおねる
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なので、実プラントに入れるには、この暗黙知になっている箇所を明らかにして、技術に変えていく。

1を2,3…と大きくするところが始めの関門になります。

暗黙知を技術に変える

社内で要求される製造環境をラボ実験機で構築

共同研究契約を結んだ相手方の実験環境では、半導体向けの製品を製造する条件には向きません
(大抵、コンタミが発生する環境にあるので。。)

そこで、社内で要求される製造環境に合うように実験環境を再構築するため、ラボ実験機を自分達で設計します。

ここで、材質選定が適切なものでなければ、今後の実験を台無しにしてしまうため、一つ一つの装置・器材を理屈付けて選定していきます。

れおねる
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場合によっては、業者からテストピースを借りて、溶出試験を行う事も必要になります。

暗黙知を技術に変えるには?

自分たちで製作したラボ実験機を導入した後、次に暗黙知となっている状態から技術に変えるためには、どのように取り組んでいかなければならないか?、以下に4つほど挙げてみます。

様々な分野の知識を取り入れる

新規プロセス開発でラボ実験をする前には、まず仮説を立てる事が大事になります。
理系の大学で研究をやっていた方なら誰しもが経験していますが、新規プロセス開発ではその仮説の範囲が自分の専門外になる事もあります。
分野の具体例としては…

  • 物理化学(熱力学)
  • 反応工学
  • 材料工学
  • 高分子化学
  • 界面化学(有機・無機化学)
  • 分離工学 etc…

上記のような複数分野の視点から仮説を立てて、検証実験を行っていきます。
失敗実験になる事もありますが、仮説と検証を繰り返し、成功するための実験条件を模索していきます。

物性を把握する

物性を把握する事は、後にプロセスウィンドウを決めるための重要なファクターになります。
プロセス開発の内容によって異なりますが…

  • 密度 ρ
  • 粘度 μ
  • 動粘度 ν(=密度/粘度)
  • 沸点 bp
  • 融点 mp
  • 熱伝導率 k
  • 拡散係数D
  • 比熱 Cp
  • 溶解度(相互溶解度)
  • 表面張力 σ(界面張力) etc…

取り組んでいるプロセス開発に関係がありそうな物性を選択し、温度・圧力に対する物性をAspenで推算もしくは実測で
データを取得しておきます。

このデータから、失敗実験の原因を突き止められる事もあります。

移動現象論で考える

流体や熱、成分の流れを理解するのに必要な学問ですが、新規プロセス開発でも移動現象論が役に立ちます。

目の前で起きている様々な現象を、移動現象論の中に出てくる式を使ってイメージする事もあります。

もちろん、その式を100%適応できる訳ではありませんが、現象の関係性を大まかに掴む際に、非常に有効になります。

別の方法を試してみる

実は、今行っている新規プロセス開発は、大学や研究開発法人などのパイオニアがやっている実験方法とは別のやり方を試してみて結果的に成功しました

以前は、実験方法を全く同じやり方にしていて失敗実験を繰り返していましたが、あるとき相手方が教えてくれた方法とは別のやり方で試したところ、自分達の実験系で上手く成功させることができました。

れおねる
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何回トライしてもダメなら、一度道を外れてみる事で、突破口が開ける事があります。

まとめ

今回は、私が2年間新規プロセス開発をしてきた経験を棚卸ししてみました。

悩み事を解決するような内容ではございませんが、何かプロセス開発のヒントになっていれば幸いです。

れおねる
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最後までご覧いただき、

ありがとうございました!

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