RO膜とはどういう技術?超純水製造装置にも使われる膜分離技術を解説

プロセス開発
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逆浸透膜の分離対象はどういうものなんだろう?

分離膜って種類が色々あるから、混乱してきた…。

れおねる
れおねる

こんにちは、れおねるです。

膜プロセスは世界シェアを見ても、日本メーカーの強さが目立つ分野ですよね。

その中で逆浸透膜は、半導体製造に不可欠な超純水製造にも使われている膜プロセスの一つになります。

今回は、逆浸透膜に関する記事になります。

逆浸透膜とはどういうもの?

浸透現象(浸透圧)を逆利用したもの

浸透現象の流れ
  1. 半透膜(溶媒を通し、溶質は通さない)で隔てた容器に、希薄溶液と濃厚溶液をそれぞれ投入する
  2. 膜間の濃度差により、希薄溶液から濃厚溶液へ溶媒の浸透現象が起こる
  3. 次第に、濃厚溶液側の落差による圧力差とバランスし平衡状態となる(浸透圧)
  4. 濃厚溶液側から浸透圧以上の圧力を加えると、溶媒のみが希薄溶液側へ移動し、濃厚溶液側はさらに濃縮される

浸透現象を説明する際によく見かける画像が上記になります。

浸透平衡状態になった時の希薄溶液側と濃厚溶液側の高さの差が浸透圧になりますが、この浸透圧の原理を逆利用することで、溶液から溶媒のみを分離しようというのが、逆浸透膜(RO膜)になります。

れおねる
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理論そのものは単純かもしれませんが、何を分離したいのかで膜に求める性能も変わってくるため、膜の技術開発力が必要になります。

ミクロの領域で膜分離ができる

逆浸透膜の特徴
  • 孔径はウイルスよりも小さい1nm以下(10-9m)で構成されている
  • 分画分子量は50~100と低分子領域の分離が可能
  • 塩類、アミノ酸、農薬のような溶質サイズが小さいものが分離できる

分離膜の性能を溶質サイズ順に示すと、

精密ろ過(MF)>限外ろ過(UF)>ナノろ過(NF)>逆浸透膜(RO)

上記のような順序になります。

用途は希薄水溶液から溶媒である水を分離・回収するために使用

逆浸透膜が利用される分野
  • 海水の淡水化
  • 超純水製造装置
  • 食品分野での濃縮分離
  • 低濃度の廃水処理
れおねる
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逆浸透膜は優れた膜分離能力を持っているため、様々な分野で利用されています。工業用途では海水の淡水化が知られていますね。

超純水製造装置では前処理設備として重要な役割を担っています。

逆浸透膜の操作方式

膜分離の操作方式には、クロスフロー方式デッドエンド(全量ろ過)方式という2つの方式がありますが、逆浸透膜で利用されているのは前者のクロスフロー方式になります。

ここでは、クロスフロー方式とデッドエンド方式について、それぞれ説明します。

クロスフロー方式(逆浸透膜で利用)

クロスフロー方式の概要
  • 原液が膜面に沿って平行に流れる
  • 原液側の膜面流速によって膜表面の粒子の目詰まりを防止する
  • 膜そのものは再利用が可能

デッドエンド(全量ろ過)方式

デッドエンド方式の概要
  • 原液が膜面に対して垂直に流れる
  • 原液の供給とろ過液の方向が同じなので、粒子が堆積する
  • 基本的に膜は使い捨て
  • 少量サンプルの膜分離に適する
れおねる
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逆浸透膜では使われることがありませんが、デッドエンド方式はクロスフロー方式を説明する際の比較される事が多いです。

そのため、デッドエンド方式についても記載しました。

まとめ

今回は膜プロセスの中の逆浸透膜について解説しました。

逆浸透膜は日本メーカーが誇る素晴らしい技術で、半導体化学業界を下支えしています。また、新規プロセス開発するに当たって、一つの単位操作を極めるだけでなく、複数の単位操作技術の合わせ技で一つのパッケージにする事もあります。

そのため、単位操作の原理と実用化している技術について知っておくことは、選択肢を増やす良い知見になります。

今後は、化学工学の単位操作と実用化している技術についても、少しずつ触れていきたいと思います。

れおねる
れおねる

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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