


防爆構造ってどれを選べば良いんだろう?



防爆エリア3分類と5つの防爆規格の基準を事を頭に入れておく必要があります
そこでこちらの記事では…
- 防爆仕様の選び方が実は良く分かっていない方に向けて
- 防爆構造を使う危険箇所の3分類
- 5つの防爆構造の違い
- 危険箇所3分類に適合する防爆構造の選定
上記の内容を紹介します。
今回の記事は、ユーザーのための工場防爆設備ガイドより抜粋しています。さらに詳しく知りたい方は、原本を参照すると良いでしょう。



これを機会に是非覚えてしまいましょう!
危険物施設=防爆構造の電気機器設置が義務
化学プラントでは取り扱っている物質が原因で、火災・爆発事故が発生する事があります。このとき、火災・爆発は3つの要素が揃うときに発生します。
- 可燃物
- 危険物蒸気、可燃ガス、粉塵など
- 酸素
- 物質によって爆発濃度範囲が異なる 例)空気中の水素の爆発濃度:4~75 vol%
- 点火源
- 火気、火花、静電気、摩擦など
上記の1から3のうち、一つでも遮断できていれば火災・爆発は発生しません。
化学プラントには多くの計測器・動機器が設置されていますが、これが点火源となって火災・爆発事故を引き起こす可能性があります。
それを防ぐため、電気機器に点火源とならないように技術的な手法を施した構造の事を、防爆構造と呼びます。
この防爆構造は単にその構造体になっていれば良いというものではなく、労働省の検定に合格し、認定されたものでなければなりません。



化学プラントの完成検査のときに、防爆機器の認定証明書と番号の照合は必ずやりますよね。
危険箇所の3分類
火災・爆発を引き起こす可能性のある物質を扱っている施設の中でも、危険度に応じて3つに分類されています。
- 特別危険箇所
- 第一類危険箇所
- 第二類危険箇所
危険度で大小を付けるならば、
特別危険箇所 > 第一類危険箇所 > 第二類危険箇所
上記の関係になります。順番に見ていきましょう。
特別危険箇所
- 通常の状態でも、爆発性雰囲気が連続または長時間存在する場所
- 目安:爆発雰囲気の年間生成時間が1000時間以上
- 電気機器類等の使用は避ける事が望ましい
第一類危険箇所
- 通常の状態で、爆発性雰囲気をしばしば生成する可能性がある場所
- 目安:爆発雰囲気の年間生成時間が10~1000時間
- 場所の例
- ふたの開閉などによって可燃物を放出する開口部付近
- 屋内又は通風、換気が妨げられる場所で、可燃物が滞留する恐れのある場所
- 点検・修理作業のために、可燃物を放出する開口部付近



大抵はこの1種危険場所に該当するのではないでしょうか。
第二類危険箇所
- 通常の状態で、爆発性雰囲気を生成するおそれが少ない
- 生成したとしても短時間しか持続しない場所
- 目安:爆発雰囲気の年間生成時間が1~10時間
- 場所の例
- 誤操作による可燃物放出の恐れのある場所
- 異常反応等で可燃物を漏出する恐れのある場所
- 強制換気装置が故障した際、可燃物が滞留する恐れのある場所
- 1種危険場所の周辺・隣接する室内で、爆発性雰囲気がまれに侵入する恐れのある場所
5つの防爆構造
防爆構造には種類があり、使う事が適している危険場所がそれぞれ異なります。
- 本質安全防爆
- 耐圧防爆
- 内圧防爆
- 安全増防爆
- 油入防爆
こちらも、それぞれ順番に見ていきましょう。
本質安全防爆



- 正常または事故発生時に生じる電気火花、高温部により可燃物に点火しない
- さらに、公的機関において試験その他によって確認された構造
耐圧防爆



- 全閉構造の内部で可燃物の爆発が起こった場合に容器がその圧力に耐える
- かつ、外部の爆発性ガスに引火するおそれのないようにした構造
内圧防爆



- 容器の内部に窒素などの不活性ガスを流入
- 内圧保持することによって可燃物の侵入を防止した構造
安全増防爆



- 正常運転中には火花または高温を発生することのない電気機器に適用
- 異常時の火花または高温が発生する可能性に対し、安全度を増加した構造
油入防爆



- 電気機器の火花やア-クが発生する部分を絶縁油に浸す
- 油面上に存在する可燃物に引火するおそれがないようにした構造
まとめ
今回は、「防爆仕様の選定方法」をテーマに危険場所と防爆構造について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
最後に、危険場所と防爆構造の選定簡易表を以下にまとめます。



なお、関連記事として、化学メーカー現場研修で自主的にどんなことがやれるのか知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。



最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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