『HSPという性格の5つの特徴と簡単な診断方法』の記事で、HSPは以下の特徴を持っている事を解説しました。
- HSPは感覚が敏感な人で、感受性が高い
- 新たな可能性や大小さまざまな問題の解決策を思いつくのが上手
- 人の顔色を伺ってしまい、自尊心が低い
- 理想または合理主義者の内向型にHSPが多い
本記事では、周囲の鈍感な人たちとの付き合い方や、繊細な自分との付き合い方、そしてHSPに向いている仕事についてまとめます。
大事な事は…
HSPという気質は治さなくて良い。
自分の限界を受け入れつつ、持ち味を最大限活かせるようにする。
そのためにできる事をやる。
決して簡単ではありませんが、できない事ばかりに目を向ける人生ほど辛いものは無いです。
一つずつ受け入れて、できる事をやっていきましょう。
周囲の鈍感な人たちとの付き合い方5選

エレイン・アーロンの論文によれば、HSPは人口の約20%に相当すると言われており、全人口から見るとHSPは少数派になります。
それは、HSPにとって周囲の鈍感な人たちに囲まれた生活を強いられるため、そのペースに合わせていこうとすると疲れを感じやすくなる、というのは想像できますね。
以下には、そのような鈍感な人たちとの付き合い方について、5つ紹介します。
①自分の限界点をはっきり伝える
- 断り上手になる事が第一歩
- どこまでなら耐えられるのか境界線を引く
- それを超えそうなときはNOという
- 声に出して相手にはっきり伝えることで、ジレンマが解消される
- 断る事に罪悪感を抱かない
- 断ってマイナスな感情を持たれたとしても、それは相手の問題である事を理解する
②会話が一方的にならぬよう対話となるように心がける
- 相手の話を受けて自分が反応するのと同時に、相手にも自分の話に反応してもらうようにする
- 自己表現する事で過度な刺激を受ける事を避ける
- たまった不満を解消したいと思っている人の気持ちのはけ口にされるため、どの人間関係に自分のエネルギーを費やしたいか選ぶ
③HSPの理解者をパートナーに選ぶ
- HSPの多くは、平穏を得るために単独行動や1人で暮らす事を選択する
- 敏感である事に理解があり、それを尊重してくれるパートナーを選ぶ
- 共同作業や生活に互いのメリット・デメリットを補える利点がある
- 一方、パートナーが自分の力を誇示しようとする場合は別れる
④会話中に休憩を取る
- 会話中に相手が発した言葉を理解できなくなってくると、休憩が必要なサイン
- 話が耳に入らなくなってきたことを伝え、会話を一旦やめる
- これまで会話を整理し、じっくり考えた所で再度会話を始める
⑤表面的な会話と深い会話を使い分ける
- 世間話(表面的な)話
- HSPが最も苦手な話が世間話
- 自分のハードディスクが内容の無いものでいっぱいになるため、もっと実のある会話を始めたいと願っている
- 一方、自分と相手との間に共通の関心事がないかを探るために行うはじめの作業でもある
- 関心がある事の話
- 今関心を持っている事について議論を深める
- HSPの多くが共通の関心事について知識を交換する事を好む
- 一方、相手が会話を独占してしまう事は避け、自分自身がもっと発言する練習をする
- お互いの関係についての話
- 物事に対する感情や感覚を共有して互いの内面について洞察し合う
- この段階で躓く場合、自分の内面について何か恥じている
- それを他人に見せたくないと思っている
- 自分たちがお互いの関係性についてどう思っているのか尋ねる
- 物事に対する感情や感覚を共有して互いの内面について洞察し合う
敏感な自分との付き合い方5選

HSPは鈍感な相手が居て心が疲れてしまうというのは勿論そうなのですが、良い事も悪い事も、物事を過剰に受け取る気質を持っています。
ですので、実は相手ではなく、繊細な自分とどのように向き合い、これから付き合っていったら良いのか、これを考える事の方がよっぽど重要です。
以下には、そんな敏感な自分との付き合い方を5つ紹介します。
①自分にできる事は限られているという事実を受け入れる
- 周りが鈍感だからと言って、自分も鈍感になりたいという希望を持たない
☞ タフでエネルギーに満ち溢れた人間になろうとしない - 敏感で感受性の強い自分を受け入れ、それに合った人生設計をする
- 周囲の速すぎるテンポに合わそうとしない
- 競争についていこうとしない
- 高い地位や物質的な豊かさは人生の質に影響を及ぼさない事を理解する
- 他人の価値観に惑わされない
②心理セラピーを受けてみる
- HSPは言われたことを深刻に受け止めるため、カウンセリングの効果が出やすい
- HSPの多くは自尊心が低い事による、自分への高度な要求をする
- 自分の理想と現実の乖離が大きくなり、負の影響を及ぼす
- カウンセリングを受けて、乖離を小さく or 無くし、自己愛を高める
③HSPの能力を楽しむ機会をつくる
- 香り、音楽、食事など知覚に快楽を与える
- 日記や本など文章を書く
- 芸術鑑賞や、自分で芸術作品を創る
- 運動やマッサージ、ジムなど定期的に体を動かす
- 深くて質の高い人間関係を築く
④刺激を遮断する
- 目を瞑ったり、ヘッドホンもしくは耳栓をして情報を遮断する
- ニュースをチェックし過ぎない
- 礼儀を尽くす事を我慢することは違うと知る
- 状況がつらいなら、その場を立ち去るか、情報をシャットアウトする
⑤自分に正直な選択をする
- 他人の目を気にしない
- 周りから変に思われたくないと意識しない
- 自分とは違う人間を演じようとしない
- 興味あるフリをしたり、元気なフリをしない
- 違う人間を演じる必要のある人間関係をやめる、手放す
- 罪悪感を抱かない
- 他人の期待に常に応えようとしない
- 心の奥深くで何を望んでいるのかを思いだす
- 自分自身の価値観に従う
- 自分にとって何が大事なのか、紙に書きとどめておく
- 相手とは違う意見でも恐れずにいう
- 自分がどんな人間なのかを魅せる事で、ありのままを受け入れられる
HSPに向いている仕事
これまで、周囲の鈍感な人たちとの付き合い方や、繊細な自分との付き合い方を解説しましたが、ここでは向いている仕事がどういったものがあるのかを説明します。
まず、HSPは以下のような得意な事・苦手な事を説明してきました。
上記を踏まえた上で、適職は以下になります。
- 創造力を活かす
- 作家
- 音楽家
- 画家
- 人の気持ちに寄り添う
- 心理カウンセラー
- 介護職
- 教師
- 看護師
- 医師
- 危険を察知し乗り切る
- 経営者
- 投資家
上記に示した職種は一例ですが、納得の職種や意外な職種も含まれていたと思います。全員がなれる職種ではありませんが、持ち味を活かすという意味で参考にしてみて下さい。
参考文献
最後に、本記事を執筆する上で参考にした書籍紹介になります。
鈍感な世界に生きる敏感な人たち
- HSPとはどのような長所、またどのような心の問題に苛まれるかを書いた書籍
- 世の中にいる多くの鈍感な人や、繊細な自分自身との付き合い方を紹介
- 過度に刺激を受けた時、行動や方法論のアイデアリストとして紹介されている
- HSPが苦手としている対話の克服方法の4ステップが非常に参考になった
- 表面的な話
- 関心事についての話
- 信頼して内面を見せる
- 直接お互いの関係を聞いてみる
敏感な人や内向的な人が楽に生きるヒント
- HSPである自分に焦点を当て、どのような行動を起こせばラクに生きれるかを書いた書籍
- 短所は長所という言葉があるように、否定的な事でも視点を変えれば肯定的になる
- 他人に興味がない=功績に興味は無いが、内面や価値観に興味がある
- 諍いが嫌い=争うぐらいなら、他の事に労力を費やしたいと思う
繊細な心の科学
- 科学という言葉の通り、HSPがなぜ発現するかについて書かれた書籍
- 興味深かったのは、HSPは繊細であるがゆえに鼻が良いという事
- 反対に、サイコパスは共感性が低い事から鼻が悪いという事
- HSPかどうか判断する類型論、特性論について紹介されている
- 多くの引用文献があり、気になる論文はネットでも検索できる
まとめ
今回は、周囲や自分との上手な付き合い方5選と向いている仕事について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
- 周囲の鈍感な人たちと付き合うには自分を知ってもらう事
- 敏感な自分と付き合うには限界を受け入れて、正直な選択をする事
- 適職は、創造力や人の気持ちに寄り添う事、危険察知を活かせる仕事
2部構成で執筆をしましたが、本記事を書いた背景には、HSPという気質がある事を知ったとき、「自分もかなり当てはまっているな…」と思い当たる事が多々ありました。
なので、色々な文献を読んで、少し研究してみようと思い、記事にしたという経緯があります。
仕事や私生活でも、この性格から苦しいと思う事がありますが、いざとなったら本に記載されていたように心理カウンセリングを受けてみる、それがラクに生きる一つの手段だと、肯定的に捉えられるようになりました。
同じHSPという気質を持っている方に、この記事が少しでも参考になれば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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