上手くいかない事だらけで精神的にかなり参ってる。
全て上手くいくようにするにはどうすれば…?
完璧主義の傾向があるかもしれません。その意識を弱める事の方が健全です。
日本人は元々何かを極めるという事に美徳を感じやすく、完璧主義の割合が多いと言われています。しかし、見通しの立たない現代では、完璧ではない、不完全な自分を受け入れる力が必要になります。
こちらの記事では…
- 完璧主義的な傾向があり、精神的に疲労している方に向けて
- 完璧主義の特徴
- 完璧主義の短所
- 完璧主義の原因
- 完璧主義の治し方(上手に使う方法)
上記の内容を解説します。
私自身もストレングスファインダーの結果から最上志向が上位にきているので、完璧主義の傾向が強い性格ではあります。周囲の人間関係がこじれるほどではありませんでしたが、些細な事が気になり自己嫌悪に陥る事もありました。
今では大分克服していますが、その経験から完璧主義にスポットを当てて、特徴や短所、原因について深掘りし、上手に使う方法を調べましたので、その内容を紹介します。
完璧主義の特徴とは?
記事をご覧の皆さんは、完璧主義の定義についてご存じでしょうか?完璧主義は異常心理の入り口とも言われていますが、その定義は以下になります。
- 完璧主義の定義
- 予め期待していたことをその通りに行わないと、全てが台無しになったような失望や苦痛を感じる心理的・精神的な囚われ
- どんな人に多い?
- 親や教師の言いつけに忠実な良い子や優等生だった人
完璧主義は精神障害ではなく、人が本来持っている二面性の偏りが大きい事に由来すると言われています。一方、完璧主義が上手く機能している時は、以下の特徴があります。
- 秩序や道徳を重んじる
- 優れた向上心をもつ努力家
- 自分の信念・期待を完全に一致させようとする実行力・影響力
それぞれ解説します。
秩序や道徳を重んじる
- 部屋や自分の持ち物を完璧に整理し、秩序を保とうとする
- 生活のルールを保つ
- 細部に至るまで管理する
- 決まりや約束を守る
- 何事も手を抜かず、いい加減さを嫌う
- 理性が発達している
優れた向上心をもつ努力家
- 最上を目指す向上心や努力が高いパフォーマンスの原動力となる
- 学業、仕事、家事、子育てなどで、素晴らしい成果を出す
- その成功体験から、さらなる努力と向上心のスタイルが強化される
自分の信念・期待を完全に一致させようとする実行力・影響力
- 清らか、正しく、善良でなければならないという信念
- 優れたマネージメントを公私で発揮する
- 完璧を目指す事で快適な生活をクリエイトできる
完璧主義の短所
上記に挙げたの特徴の一方、完璧主義は困難な状況でも完璧でありたいという価値観・ライフスタイルを捨てられず、様々な短所を抱えています。
- マイナス面
- 妥協ができない
- 融通が利かない
- 曖昧さを受け入れる許容量の乏しさ
- 無用の軋轢やストレスを生む
- 完璧主義故にかかる精神疾患
- うつ病
- 摂食障害
- 不安障害
- 境界性パーソナリティ障害
- アルコール依存症
- 心身症
- 異常行動
- 虐待
- 仕事中毒
- 夫婦関係や対人関係の破綻
- 嗜癖行為
その理想としている自分から、以下のような短所があります。なお、全ての完璧主義の人が以下のような行動に出る訳ではありません。
- 自己絶対視により対人関係を壊し、周囲に軋轢を生む
- 手段の目的化になりやすい
- 理想化された存在に憧れを抱きやすい
- 心の脆さ
- 支配中毒になりやすい
自己絶対視により対人関係を壊し、周囲に軋轢を生む
- 正しく物事は行われなければならないという事が最優先される
- 自分のやり方しか認められず、それと少しでも違う事をされると我慢できない
- 何にでも口をはさむ
- 相手の間違いや欠点を許容する余地が無い
- 自分が正しいという事を主張し、それを証明する事ばかりに躍起になる
- 相手の気持ちより自分の基準を最優先する自己絶対視に陥る
- 社会常識に外れた行動をする相手が悪く、間違っているのは相手の方だと固く信じている
- 自分の価値観や流儀と同じことを期待したり、押し付けたりすることが問題の原因だという事に気付かない
- 周囲は自分の裁量で動けず、息苦しく感じてやる気を削がれてしまう
手段の目的化になりやすい
- 完璧主義は一つの美意識であり、予定されていたものとの同一性を実現する事自体が目的
- その背景や理由はあまり重要ではない
- 例)資料のフォントや色使い、言葉使いといった瑣末な所に異常に拘る
理想化された存在に憧れを抱きやすい
- アイドルやスター、インフルエンサーのような理想化された存在に憧れを抱きやすい
- 現実の存在を前にすると幻滅する
- また、自分を見て醜貌恐怖や身体醜形障害に陥りやすい
- 顔や体の些細な傷や非対称さ
- 体毛や体臭、汗を過度に気にする
- 髪型の些細な部分を異常に気にする
心の脆さ
- 些細な失敗や期待はずれな事態に大きな心の打撃を受けやすい
- そうした状態が続くと、原因は周囲にあると考え、相手を敵とみなす
- または自分は生きている価値もない人間だという強い自己否定に囚われる
支配中毒になりやすい
- 自分の非に向かい合う事ができない
- 躁的防衛(支配感、征服感、軽蔑)で他者に優越する事で自分を守ろうとする
- 弱い立場の者を支配することで自己愛や自己効力感を保とうとする
- 支配性向が高い人は中位や低位の人をパートナーに選び隷従の関係にする
☞ 自己愛の性質をもつ - 一方、支配する側はそれを正当な務めだと思い込む
完璧主義に至る原因とは?
これまで完璧主義の長所や短所を解説しましたが、その原因はどんな所に潜んでいるのかについて解説します。大きくは以下の3点になります。
- 全か無かという二分法的な思考
- 妄想分離ポジションと抑うつポジションのバランスに偏りがある
- 親や他人からの無条件の愛情や肯定を与えられて来なかった
全か無かという二分法的な思考
- 失敗は成功の反対で、どこまで行っても失敗でしかないという二分法に囚われる
☞ 言葉の上の対立概念に縛られ過ぎている - 本来、失敗と成功は連続したものであり、互いに互いを必要としている
- これが強すぎると、一度の失敗だけで全てが失敗に終わったような挫折感を味わう
妄想分離ポジションと抑うつポジションのバランスに偏りがある
- 妄想分離ポジション
- 自分の意志を邪魔するものは全て敵であり、怒りと攻撃の対象とみなされる
- 例え、自分の世話をしてくれる存在であろうと、おかまいなし
- 乳幼児に典型的にみられる状態
- 抑うつポジション
- 思い通りに奈良に状態に遭遇すると、むしろ自分を責め、落ち込んだ反応をみせる
- 自分だけでなく、相手にとっての不快さも理解できるようになる
- 発達するためには、自分の非を省みたり、相手の気持ちを汲み取ったりする心の働きが育つ必要
- 全体対象関係
- 妄想分離ポジションと抑うつポジションのバランスが取れている状態
- バランスを取るには、十分な共感が与えられた上で、自分の非と向かい合う経験をする必要
- 両親からの愛情不足も過保護も、全体対象関係を育むのを妨げる
- 大抵、成長過程で全体対象関係が発達する
- 人によっては大人になっても妄想分裂ポジションが優位なまま(乳幼児のまま)
☞ どちらかに偏りがある場合は、部分対象関係となる
- バランスが取れない人の傾向
- 安心感や共感を与えられず、絶えず責められながら育つ
- イジメや疎外感を味わいながら暮らしてきた人
- 優れた達成をしたときしか、評価されなかった人
親や他人からの無条件の愛情や肯定を与えられて来なかった
- 抵抗/両価型
- 気分によって、甘やかしたり拒否したりする
- 過保護で良い子を求めすぎ、子供の行動を神経質に縛り過ぎる
- 子供本位ではなく、親や他人本位の関わり方、生き方をしてきた
- 回避型
- ネグレクトされた場合や、一方的に支配され、情緒的かかわりが乏しい場合
- 親子のかかわりが、絶対的に不足している
- 混乱型
- 抵抗型と回避型の両方の特徴が無秩序に認められるもの
- 虐待を受けている子供に典型的に認められる
- 親の顔色を伺い、甘えようとするが恐々
- その一方で、親に対して無関心な反応を示す
- 親子のかかわりが不安定であり、攻撃的、侵襲的である
- 本人の安全性が著しく侵害されている状態
完璧主義の治し方ではなく、上手く使う方法
完璧主義の原因を上述しましたが、ここで完璧主義を上手く使う方法について解説します。
完璧主義はデメリットだけでなく、上手く使えば自分を成長させる原動力になるので、デメリットの部分を抑制する術を学ぶ事が、上手く使う方法になります。
- 二分法的思考を弱める
- 完璧な自分が最善ではない事を知る
- 部分対象関係から全体対象関係へと視点を移す
二分法的思考を弱める
完璧な自分が最善ではない事を知る
部分対象関係から全体対象関係へと視点を移す
書籍紹介
最後に、記事を書くに当たり参考にした書籍を紹介します。
あなたの中の異常心理
まとめ
今回は、完璧主義の長所や短所、その原因を理解して、上手に使う方法について解説しました。
デメリットが強すぎると大きな支障をきたしますが、上手くコンロトールしてメリットの部分を使っていきましょう。
- 完璧主義=予め期待していたことをその通りに行わないと、全てが台無しになったような失望や苦痛を感じる心理的・精神的な囚われ
- 良い面もあるが、悪い面に作用すると周囲との軋轢や自己嫌悪に陥る
- 原因は、これまでの人生の親や他人との関わり方にある
- 上手く使う方法=人間は中途半端、いい加減でも良い、そしてそれが大半である事を受け入れる
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