会社である人と接していると、何故だか嫌な気分になる…。
自分にも非はあるから、自分が悪いのかな?
その人、一見人当たりは良さそうだけど、弱みにつけこんでくるタイプではありませんか?
社会に出ると色々な人間関係のストレスに晒されますが、最も気を付けなければいけないのは、今回紹介するマニピュレーター(潜在的攻撃性パーソナリティ)という人格です。
こちらの記事では…
- 会社である特定の人と関わると何故だが疲弊してしまうという方に向けて
- マニピュレーターとはどんな人物か?
- マニピュレーターはサイコパスと違う?
- マニピュレーターを見抜くことの難しさ
- この記事を読むことによって…
- 自分の非はない事を明らかにできる
- その上で、マニピュレーターへの対策を学べる
上記の内容を解説します。
私が心から伝えたいのは、社会に出て一番始めに学ぶべきは、接する人全員が良心を持っている訳ではない、という事実を受け入れる事です。
うわべはいい人だけど、その素顔は…という人は、案外身近に潜んでいます。
そして、このマニピュレーターと呼ばれる人格への対策として最も有効なのは、
①相手を変えるのではなく、自分自身を変える事
②自分の得意が十分発揮できる分野にいる事
上記の2つになります。
マニピュレーターとはどんな恐ろしい人物像か?
マニピュレーター(潜在的攻撃性パーソナリティ)を直訳すると操る者という意味があり、ロボット工学の分野で良く使われる言葉です。
人格でマニピュレーターを指すときは、自分の思い通りになるように他人を言葉巧みに誘導・操る人の事で、別名「羊を皮を纏う狼」と呼ばれています。
感覚的には…
- 「応援しているよ or 期待してる」と言いながら、部下の昇進を握り潰す上司
- 理由を聞いても、具体的な事は出てこない
- 「長期的な目線で君にとって良くない」などとはぐらかす
- 仲間思いを演じつつ、自らの目的のためにひそかに仲間を陥れる同僚
- 普段べた褒めするなど人をそそのかすが、公の目に触れる会議などでやたら非難・補足したがる人
- さり気なく皮肉やあてこすりをして自分の劣等感を煽る人
- 上記のような事を何故するのか、その意図が読めない人
上記のような感覚を覚える人と接している場合は、マニピュレーターである可能性が高いです。
彼らは非常に頭が良く話術にも優れているので、一見魅力的な人間に見えます。
しかし、その実態は直接的な言葉で言えば、詐欺師に近いと言えます。
マニピュレーターと呼ばれる人格を持つ人は、主に以下のような特徴があります。
- 根底には常に自分の思い通り&相手に勝つ事を渇望
- 常に人の上に立ち、命令できる地位を得られる支配力を望んでいる
- 自分の見せ方を心得ていて、相手を自分の虜にできる
- 狡猾で負けを認める事を嫌い、人の弱点に付け入る事に優れる
- 自分の目的のために行った手段を正当化する
- 人間関係=搾取する or されるだけの関係だと考えている
以下にそれぞれ解説します。
根底には常に自分の思い通り&相手に勝つ事を渇望
まず、マニピュレーターと呼ばれる人格が一番求めている事、それは…
- 周囲にいる人を自分の目的のために思い通りにする事
- 周囲にいる誰よりも勝つ&優れている事
上記の2つが根底にあります。
非常に好戦的で競争性が高く、常にどんな相手にも勝つ事を望んでいます。
判断基準
常に人の上に立ち、命令できる地位を得られる支配力を望んでいる
マニピュレーターが渇望している上記の目的を得るには…
- 人の上に立って命令できる地位に就く事
- 服従関係になるよう支配する事
ポジションとして上にいるという事が、目的を達成する手段になります。
そのため、どんな手を使ってでも、昇進することに執着します。
判断基準
自分の見せ方を心得ていて、相手を自分の虜にできる
一方、彼らが最も凄いのは…
- この自分の根底にある目的を上手く隠せる
- コミュニケーション能力や社交性の高さから、非常に魅力的な人に振舞える
- 結果、周囲の人の警戒心を解いて、信頼や忠誠心を得る
- 一方、自分の都合の良いように、話の肝心な部分を伝えず真相を隠す事が出来る
※コミュニケーション能力:自分の考えを言葉に表すのが上手く、話術に優れる。
※社交性:周囲を惹きつけ味方に付ける事が出来る
露骨に競争性が高いと周囲の人と衝突してしまうため、それが原因で目的を達成できない事は、彼らにとって負けを意味します。
そのため、周囲をそそのかして相手の承認欲求を満たし、あたかも味方であるかのように振舞えます。
そして、その裏に隠れている真意を悟らせないようにします。
特に、自分に自信は無いが承認欲求が高く、依存体質な人が餌食になりやすいです。
判断基準
狡猾で負けを認める事を嫌い、人の弱点に付け入る事に優れる
前述したとおり、彼らは競争性や自我が高いため…
- 相手の脇の甘さ、ちょっとした弱点を見つけるのが上手い
- 巧妙な手口で、その一瞬をすかさず突いてくる
負ける事を嫌うので、立場を逆転できるタイミングを見て、戦略的に主張を始めます。
自分の目的のために行った手段を正当化する
マニピュレーターは自分の目的のために人を操作するので…
- 大義名分を盾に、自分の行った恫喝や暴言を正当化する
- また、上記の行動を他人から問われた際、事実を小さく見せようとする
- 相手の同情を得ようと、わざと被害者を演じる
上記のように、自分のとった手段を何が何でも正当化します。
また、わざと怒る姿を見せる事によって動揺させ、相手を操作する事を試みます。
判断基準
人間関係=搾取する or されるだけの関係だと考えている
マニピュレーターには良心が欠如しているので…
- 人間は搾取する or 搾取される関係だけだと考え、人を駒数としか見ていない
- 搾取される側は自分の目的の捨て駒に過ぎないと考えている
- 相手の弱点を見抜き、ことごとく利用する
上記のように、容赦のない残忍さを持っている。
判断基準
マニピュレーターはサイコパスとは違う?
サイコパスはアニメの題名になるほど世の中に広く知られた人格になりましたが、実はマニピュレーター(潜在的攻撃性)とサイコパス(略奪的攻撃性)は似て非なる人格になります。
以下に、どのように違うのかも簡単に説明します。
サイコパスの特徴
サイコパス(略奪的攻撃性パーソナリティ)
- 基本的な性質は同じだが異なるのは攻撃方法で、自分の目的や意図を隠さない
- 自分を圧倒的強者だと見なして、凡人は自分の餌食になって当然と考える
- あらゆるパーソナリティ障害で、その存在比率は非常に低い
- 今のスマホ市場を作り上げた起業家や、皆さんが使っているEC企業創業者も該当する(と言われている)
- それゆえ、ビジネマンとしてマニピュレーター以上に超優秀
また、サイコパスの半分の性質を持っているナルシズムについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
さらに、ナルシズムの他、異常心理の入り口とも呼ばれている完璧主義に関する記事は、こちらをご覧ください。
その他のパーソナリティ障害は、以下のような人格があります。
近年問題となっている誹謗中傷というのも、上記のパーソナリティ障害のいずれかに該当しているのではと考えています。
これらに共通する思考パターンは以下の7つになります。
- 自分本位な思考
- 所有的思考
- 0か100かの思考
- 過度に自惚れた思考
- 羞恥心の欠如
- 安直な思考
- 罪の意識を感じない
マニピュレーターを見抜くことの難しさ
マニピュレーターと呼ばれる人格の特徴を述べてきましたが、ここまで恐ろしい人達をなぜ見抜くことができないのか、その理由は以下の4つになります。
自分が攻撃されていると気づけない
- 前述したとおり、マニピュレーターは攻撃の意図を隠すことができる
- やられている方も、何となく相手から追い詰められている感覚がある
- 一方、なぜ自分に敵対するか、その明確な理由や証拠が分からない
- それゆえ、自分の直感が信じられない
「相手に悪いかな…」と思わせる
- 良心に働きかけて同情を誘い、あたかも被害者である事を装うのが上手い
- やられた方は「自分の勘違いだったかもしれない」と思い込ませる
- それゆえ、悪質な行為そのものを言及されないよう上手く凌ぐことができる
「自分が悪いのかな…」と思わせる
- 良心のある人は、思いやりに欠けた人間になりたくないと思っている
- それゆえ、否定的な判断を他人に下すのを躊躇し、疑わしきは罰せずとしてしまう
- また、相手を直感でマニピュレーターだと断じた自分に疑いをかける
- そして、そう思ってしまった自分を責めてしまう
自分の意識していない弱点を密かに突いてくる
- マニピュレーターは相手の弱点を見つける事が非常に上手い
- 負い目を感じさせる弱点の押し時、押し加減も絶妙なタイミングを図っている
- それゆえ、相手に非があると思い込ませ、自身の言動や行動を正当化する
FINd YOUr COMPASsでの場づくり
以前は参加者としての立場でしたが、参加してそのプログラムに感銘を受け、現在はスタッフとして関わりを継続しています。
FINd YOUr COMPASsは、幸せを必ず言語化する事、そして、自分の今ココの現在地を自覚できる状態になる事。
幸せはとても抽象的な言葉ですが、その源泉は喜怒哀楽というとてもシンプルな感情です。
日常で、喜楽を感じられる出来事は何ですか?
日常で、怒哀を感じる時、その背景にどんな想い&願いがありますか?
余りにも早く時が過ぎ去っていく日常から、一旦心と体を遠ざける。
そして、感覚と思考を拓いていく2日間を、共に過ごしませんか?
世の中に普遍的な正解が無く、ありとあらゆる事が加速度的に変化するVUCAな時代では、職場や家庭だけでなく複数のコミュニティに属する事が、環境の急な変化を上手く乗りこなせる術になります。
まとめ
今回は、人を自分の思い通りに操り、支配しようとするマニピュレーターについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
- マニピュレーターとは、自分の思い通りになるように他人を言葉巧みに誘導・操る人の事
- その目的は、常に自分の思い通り&相手に勝つ事を渇望
- 自分の見せ方を心得ていて、見抜くことが難しい
別記事で、マニピュレーターに特に餌食にされやすい性格と、マニピュレーターからの攻撃への対策を解説します。
また職場では、上記のマニピュレーター以外にも「上司と合わない…」という悩みを抱えている方は、こちらの記事をご覧ください。
コメント